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【コラム】
会社に行くならば、絶対にこんなことしません。駅の昇りエスカレーターを大きなバッグを持って駆け上がるなんて。初めての新潟、初めての日本海への旅行のために、初めての上越新幹線に乗る日。家から東京駅までは、毎日の通勤で勝手知ったる道程、とは言え勝手がわからない平日昼間の出発だから、前日のうちにバスも電車もちゃんと時間を調べて準備万端。のはず、だった。
支度はできても体調が悪く(初めて尽しに興奮したのか、鼻血が止まらず)、出たくても出られない。貧血体質のいつものことで、慣れているし目眩がする訳でもないから、家を出る気は満々なんだけど、さすがに鼻にティッシュを詰めては行かれない。
もう大丈夫と家を出たのは、すぐそこでタクシーに乗れれば新幹線に間に合う時間。そういう時、絶対に都合よくタクシーは来ない。通りかかるタクシーを逃さないようキョロキョロしながら向かったバス停に、もしかしたら渋滞で時間がずれたのがきたりして、という淡い期待も虚しく、むしろ遅れ気味でバス到着。こうなったら、どんなに頑張っても無理。丸ビルで、新幹線の中で食べるお弁当と期間限定販売のわらび餅を買って行こうと思ったけど、無理。新幹線の座席で待ち合わせる友人たちに遅刻のメール。
東海道新幹線ならば、5分ごとに出ているような気がするけど、昼間の上越新幹線は30分間隔があく。自分ひとりなら、まぁいいけど、(たぶん)寒い新潟駅で友人を待たせるのはなぁ。一応、携帯電話についてるナビ機能で検索してみると、東京に行かずに新宿で湘南ライナーに乗り大宮に向かうと間に合う、ことになっている。一か八か。この検索結果に乗ってみることにする。
湘南ライナーのホームは上りと下りが混在しているので、反対方向に乗る恐れがある。そういう時、「これだ」と言ってくれる駅員さんはホームに絶対にいない。今はナビしか信じられるものはない。車窓なんて眺める余裕はなかったけど、しばらく行くと途中からすぐ隣を上越新幹線の線路が走っているのに気付いた。これなら、乗り換えも短時間で済みそうだ。
「次は大宮」のアナウンスが入る。気合いを入れてバッグを担ぎ直す。と、「地下ホームに停まります」!!!何それ!無理!想像したのは東京駅の地下ホームや大江戸線の六本木駅。帰っちゃおっかなと思ったけど、想像したよりはずっと浅い地下ホームに気をとり直し、エスカレーターを上がる。幸い、人が少なくスムーズに進む。新幹線改札に着いてみると、掲示板には目標の新幹線の号名がある。ということは、まだ間に合うということ。自動改札を通らずに窓口に駆け込んで「絶対に乗りたいんですけど!」と言うと駅員さんもサクっと処理してくれる。旅行代理店で買った東京からの切符だったので途中入場できないんじゃないかと不安もあったけど、OK。東京行きに乗っちゃマズイから「何番線ですか?」と確認してから、少々長いエスカレーターを走った。
ホームだけは間違えないように、一番近いドアから乗る。いくつかの2階建車両のせまい螺旋階段を昇り降りして、また鼻血が出そうなくらい頭を振り回して、ようやく指定席へ。久々に経験した動悸。心臓も肺も痛いし、気道が狭くなって喘息の発作おこしそうなくらい咳がでたけど、間に合った。
そして、こんな経験をした後に、「今度から体調の分も見込んで計画しなくちゃ」とは思わずに「できるじゃん☆」と思ってしまうのが、私の悪い傾向。
(2007.3.26 WADA)
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