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【コラム】
●夏の襟
犬も食わないといわれるが、知人の夫婦はよく喧嘩をしている。どうやら妻が一方的に嫉妬して怒るらしい。女に対してだけではなく、遊びにいくなど、夫の行動に対する嫉妬だという。男性の嫉妬心ももちろん大きいが、嫉妬の文字には共に女辺が付くのだし。専業主婦であれば、自由になる時間は大きいが、仕事をして主婦、母親もこなそうとすれば、時間がない。旦那が自由に見えても、いたしかたない。
だが二人は、夫婦喧嘩をしても、通常、怪我をするほどには至らない。たまのあざも腕、足くらいで目立つところにはない。目立つところに女性が傷を与えるとすれば、それは相当激しい逆上だ。
突然名誉と責任ある地位についた人が、大きな絆創膏などで注目された。見ると不精髭も目立つ。不正経理疑惑で暴漢に襲われた、いや自損自傷だなどと推測されたが、有力なのは夫婦喧嘩という説だ。
不正経理が自分の身にも振りかかった妻が、調べたら他の女性への支出が露見した。
こんな物語が頭に浮かんだ。逆上した妻の暴力に堪え、一晩説得して、ようやく別居を引き止め、不精髭で登場というリアルな推理。
同じような地位にある人は十数名。日本の総人口を割ると、数千万人に1人の代表と計算される。だからこそ1億数千万人から少しずつの税金を使っているともいえる。
そう考えると、不正経理に対する返還請求権は、僕たちみんなにあるのではないだろうか。
こういう支出が領収書なしで成立するとのも驚きだった。個人や企業には細かい領収書を要求する政府が、それで得た金を勝手に使っている。政治がやることは自分勝手で、暴君や独裁政権と少しも変わらない。
よく襟を正すなどというが、夏のクールビズ・ファッションでは、正しようもない。
省エネに名を借りたこのキャンペーンは、巨額な広告費が批判されたが、実は襟を正さないための戦略的武装だったのか。もっとも喧嘩しても、掴むべき襟もない。
(2007/7/23 志賀信夫)
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