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2,3年ほど、携帯電話のアラームで毎朝起きている。
時計、特に目覚まし時計を選ぶのは、本当に難しい。
見た目はレトロな、ベルが二つ乗っかっているようなのが好きだけど、アナログ時計によくある「カチコチ」と音が聞こえるのが苦手。
また、実際にハンマーがベルを打つようなものは、その音が大きく響くのがやはり苦手。毎朝、鳴るたびにドキドキして起きるような
気がする。
音のことからすると、デジタルの時計がいいのだけど、電池で動くものは「ほんとに動いてる?もうすぐ電池切れじゃない?」と心配がつきない。
今は元気に動いているけど、朝までに電池切れで鳴らなくなったどうしようと思うと、うかつに寝てなんていられない。
そんな心配やら、苦手をクリアしているのが、携帯電話のアラームということになる。
まず、「カチコチ」は聞こえないし、ベルの音色は様々えらべて何なら好きな音を探してくることもできる。
たいてい、寝しなに充電器に乗せるので、電池切れの心配はまずない。ということで、部屋にロクな時計がないまま、数年を過ごしている(腕時計も嫌いなのでロクなものがない)。
しかし、なんだか貧乏臭い。何でもかんでも携帯でというのは、精神が貧しいという気がしてならず、一念発起して、目覚まし時計を探すことにした。
探してみると、ない。時計屋さんというのがまず近くになく、あったとしても、どうだろう、店に入ったら年貢の納め時、選ぶ余地がないような気がして、量販店に行ってみた。
たかが、朝起きるだけのために、なんだか妙に大掛かりで派手で、飛んだり跳ねたりして、いかにストップボタンを押させないかと作られたものが多い。朝からそんなにアクティブならば、目覚まし時計なんかいらないんだけど。
他にはACアダプターで電源をとるもので、やっぱり朝起きる一瞬のためだけに、24時間365日も電気を使いっぱなしはいかがなものか?と柄にもなくエコな発想が頭をよぎる。
次は、おしゃれなインテリアショップなんてとこに行ってみる。人気のプロダクトデザイナー作の、なかなかステキなものがいろいろと揃っているけれど、朝起きる一瞬のためだけ、と頭にまた浮かんでしまって、お高い目覚まし時計には手が出ない。
「朝起きる一瞬のため」とはいえ、時間を知りたいのは一日の中で何度もあるわけで、そんなことを思いつく方がよほど貧乏性だとは思うけど、ちらっと見れば、オーディオにも時刻は光っているし、狭い部屋のこと携帯電話はやはり手近にあるわけで。
そんな中、ようやく、とっても安くて機能もそこそこ揃った静かなデジタル時計が見つかった。とっても安いくせに電波時計で気温も世界の時刻も知ることができる。
ところがこいつが食わせ物。時刻はとことん正確なのだけど、暗い中でデジタル文字が光らないのだ。点灯ボタンはあるけれど、押し方にコツがいり、力加減を間違えるとセットしたアラームがリセットされてしまう。そんなの設計で却下じゃないのか?ふと目が覚めて、「いま何時?」と手探りで時間を見ることができないなんて。
そして、やはり安物買いは損。数日でアラーム音は息も絶え絶えな音になった。吃驚するような騒音で目覚めたくはないけど、自分の体調より時計の体調を気遣うような音で起きるのは嫌なものだ。
やがて、液晶の文字も幽霊のようになってしまった。もちろん、電池は取り替えてみた。それでも、元気を取り戻すことはなく、1ヶ月ほど枕元に置いてあっただけで、何の用途もないものとなってしまった。
結局、携帯電話のアラーム機能が、理想の目覚まし時計なのかもしれない。
(2008/9/1 WADA)
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