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●時限爆弾
以前に話題になったアスベスト。数十年後に肺癌などを発症することで、欧米や日本
では全面禁止になり、使用した建築物の解体も問題になっている。だが、子どもの頃は 工事現場に落ちていて、ほぐして遊んだ記憶もある。実は七十年代から欧米では問題に
なっていたが、日本は黙認したため、対応が遅れて被害が拡大したのが事実だ。
ところがいまそれが韓国、そして東南アジアで同じことが起こっているという。日本
で禁止されると、そのアスベスト会社は韓国に合弁企業を作って、日本から機械を輸出 して韓国で作り出した。危険性を知りながら、防護マスクも付けずに作業させたため、
その工場の従業員が同じ病気で多数死亡し、訴訟を起こしている。さらに韓国で禁止さ れると、当の合弁企業がインドネシアで合弁企業を作り、現在もアスベストを作り続け
ている。現地では一切、癌や被害も知らされずに作業し、現地政府もアスベストの需要 があるから必要だとして容認している。これには驚いた。
米国などが、国内で禁止された薬品を海外向けの農作物などに使用することは以前か
ら指摘されている。先進国はそうやって他国を騙して犠牲にしてきた。しかし現在も日 本企業が韓国、そしてインドネシアにアスベスト被害を拡大し続けている。恐ろしいこ
とではないか。
米国は、イラクや紛争地域で劣化ウラン弾を使用し続けて、小児癌の原因といわれて
いる。カンボジアや世界中で地雷の被害はいまも続いている。このアスベスト生産の伝 播は近い将来、非難の嵐を受けるだろう。そして何よりも現地の人々の身体に、見えな
い時限爆弾といわれるアスベストを侵入させる恐ろしさ。これは、知りながら人の体に 地雷を敷設しているようなものではないだろうか。薬害問題もそうだが、利益を追求す
る企業には「被害は人ごと」なのだろうか。そして、知らずに僕たちもその片棒を担い でいる。そんなことがありそうで、気になるのだ。
(2009/2/9 志賀信夫)
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