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●シンダーブロック
翻訳を読んでいて、プラスティック袋という言葉に出くわすと、ひっかかる。雑貨屋(ドラッグストア)などで買ったものを入れるので、ビニール袋やポリ袋らしいとわかるが、違和感がある。まず、ビニールとプラスティックは違うというのが日本人の認識なのだが、プラスティック袋と訳す翻訳者がいる。同様に気になるのが、シンダーブロックだ。どんな変わったブロックかと思うと、ブロック塀のブロックである。ブロック自体、煉瓦と訳されることもあるが、いずれにせよ、なぜわざわざシンダーブロックと訳すのか。
こう思って調べると、ビニール袋が塩化ビニル製でダイオキシン発生源とされたから、そういう意味で、プラスティック袋と書いた人もいるらしい。しかし塩化ビニルでなくてもダイオキシンは出るし、ダイオキシンの毒性を低く評価する人もいる。そしてプラスティック袋自体を禁止する地域もある。ビニールは商標だからという説は否定されるが、プラスティック袋と書く違和感は変わらない。
マジックインキはマジックが日本のメーカーの商標なので、フェルトペンなどと訳される。これは芯がフェルトなのでそういうのだろうが、わかりにくい。マジックとサインペンのどちらか、というのが一般的だろう。一時、商標にはRマークをつけたりしたが、現在は学術論文や、特別要求されないかぎり必要ない。
やはり、翻訳は、日本語として一般に使われているものに近づける。それが読み手にとって第一に必要なことだ。翻訳を読んで、さらに辞書を引かなければならないとすれば、それは悪い翻訳、「悪訳」である。
だから、現代のミステリーなどで、プラスティック袋、シンダーブロック、フェルトペンなどと平気で書く翻訳者には、はっきりと、「ノー」といい、翻訳力を疑おう。だが、この「ノー」は、「NO」(ダメ)なのか、「Know」(知れよ)なのか、発音は「ノウ」なのか。僕も翻訳家には向かないなあ。
(2010/2/22 志賀信夫)
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