|
ようやく
青柳の糸よりかくる春しもぞ みだれて花はほころびにける
紀貫之
という陽気になってきたけれど、数日前は
さくらちる木のした風はさむからで 空にしられぬ雪ぞふりける
紀貫之
ならぬ
さくらちる木のした風はさむすぎて 空にしられて雪ぞふりける
***
って感じでした。
春といえ、寒すぎる時には目にも入らなかったものが、目に留まり、財布も紐も我が顔も緩みます。
柏餅!
その前に桜餅ってのもあったはずですが、今年はさすがに店先でお茶を挽いていた模様。
この柏餅、かしわの葉に包まれていなければ、ただの餡入りのお餅です。
七難隠す色白のもち肌は麗しくても、さっぱりしすぎる容姿。
それが、柏の葉をあしらうだけで、錦を纏うがごとし。
文化は成熟したような先進国家で、日本ほど「そのへんの葉っぱ」を食べるためではなく、単なるアクセントでもなく、食物に用いる国はないのではないかと思います。
桜餅は、大島桜の葉を1年越しで仕込んだものだそうで、塩漬けだからちょっと違うかと思うけど、柏餅、ちまき、椿餅と、青々とした葉で包まれた艶やかな甘味は、保存だの殺菌だとのいう以前に、やはり神さぶる国の気持ちが強いと思うのです。
季節を体に取り込んで、何かのちからで守ってもらいたい。
その約束の青葉。
神社での玉串の青さにも通じるものだと思います。
(2010/4/26 WADA)
|