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Arts Calendar/column
アーツカレンダー<コラム>のページ
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友人に薦められ、それはぜひと機会を望んでいたジャズピアニストのソロライブ。
とても力強く、ピアノってハンマーが鋼線を叩いて音を出す楽器なんだと思い出す。
さらにここのピアノのハンマーは金属製かしら?と思うほどに「へヴィメタル」な音。
チェンバロの響きに近いような。。。
また、ペダルに置いていない足でとるリズムも力強く、かなりのアクセントになっている。
ということで、だいぶ男っぽいピアノだけど、演奏してるのはうら若き乙女な片倉真由子。
洗足〜バークリー〜ジュリアードと、足跡をたどると王道の29歳。
「東北のご出身?」といいたくなる、黒目がちの強い視線とほんのり上気の頬。
MCもまた、ピアノと同じようにしっかりした声、口調。
朴訥、というと若い女の子にはかわいそうかもしれないけれど、地吹雪の中を一歩一歩踏みしめて歩く東北人の辛抱強さは、彼女のイメージに重なる。
女性ジャズミュージシャン=なよっとした美女、なんて思ってる人の期待は大いに裏切るだろうけど、片倉真由子はかなり女子受けがいいと思うし、ホントに音を聴きたいと思う人好みだろう。
仙台出身なので、豪雪地帯に育ったわけではないだろうけど。
本格的にデビューして2年弱。たくさんのライブを重ねる中で、2009年にリーダー作”Inspiration”をリリース。
おそらく、自分のピアノに向き合う時間もない毎日だったろうと思う。
しかも、先日ジャズ誌において新人賞を受賞。ますます忙しくなるかもしれない。
今まさに吹雪の中を歩んでいるところだと思う。
1stセットのピアノはホントにそんな感じで、雪じゃなくて氷河にピッケル突き刺して登っていくのを見るようで、かなりハラハラ。
ピアノを弾きながら、歌い、足踏みし、リアルのだめ!
ほんとは、MCなんかしたくないのかもしれない。弾いた直後には、「頭が切り替わらなくて」と言うべき言葉も出せずにマイクを握っているのを見れば、曲にこめる力も知れようというもの。曲順もライブのバランスを考えて決めるのじゃなくて、思いつくままに弾いていたいのかもしれない。
力をこめるのが彼女の弾き方なんだろうけど、筋肉の強張りと音色がシンクロしてきちゃって、ちょっと心配。
2ndセットになって、春の気配。
冬が終わり、雪解けとなったら、その流れの清冽さ、果樹の花の甘やかさ、やがて実を結ぶ果実の豊かさ。それが想像できるやわらかさと華やかなフレーズ感があり、いい感じ。
演奏したのは、オリジナルとスタンダードをほぼ交互に。
オリジナルは「誰々に影響を受けて」と本人も言うように、聞き覚えのあるフレーズが際立ってしまうのが残念かなぁ。「誰」って言っちゃうから探しちゃうのかなぁ。
スタンダードのほうが、片倉真由子風味のおもしろさが感じられるように思う。
メロディーが平易で美しい曲に、彼女の芯の強さが絡むのは、ショパンとバッハが連弾してるみたい。
私は、「Aura Lee」(エルヴィス・プレスリーの「Love me tender」としてお馴染みの)が殊のほか気に入った!
2010.Jan.25 六本木alfie 片倉真由子ソロ
(2010/2/1 WADA)
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