Art's Report site/ZAKKAYA PARIS

戸田昭子「雑歌屋パリ」

vol.31

雑歌屋リポート:○○市飛ばし公演一考

パリも30度を記録して、やっと夏が来たという感じです。
6月21日の夏至も、地味なお天気。フランス名物夏至の音楽祭でにぎわっていたと思うのですが、私は月曜は地下にこもってレッスン中。
帰り際に住宅街でバンドをひとつみかけただけでした。公的な大きなイベントを除けばアマチュアの演奏がたくさんありすぎて、それに学校祭のノリを見い出すのは私だけでしょうか・・・

さて、タイトルの○○市飛ばし、というのは、
“比較的大きな都市であるはずなのに、2大首都の東西で公演があってもここでは判で押したように公演が行われない”という、とある日本の市の話。
K○Pという演劇関係のこの秋のプロジェクトの予定を見ていたら、東と西と地方都市公演はあるのに、前回やったはずの○○市がとばされています。なぜなんでしょう。

彼らが使ってきたのは、
1.○○市芸術センター
2.県立○芸術センター
  3.旧市民会館中ホール
  4.○ートピア
など。(他にもあるかもしれません。また最近は管理者や名前が変わっているようですが、よく知らないのでそのままにします)

私の記憶と直感では、1、3、4はキャパがそれなりにあるが、舞台の大きさに対して客席が広すぎます。しかも、配置がバランスが悪いという感じです。

去年歌った○ートピアは、新しいのに「懐かしい」ホールでした。
舞台の奥行きがあまりなく、ある程度の人数が乗れるのですが窮屈そうです。古くなってとりこわされた県立劇場とあまり構造が変わらないように感じます。
実際に歌ってみたら、この会場では、横に目がついてるとか、おどりまわらないと、客席の隅々に視線がいかなさそうだと感じました。(オケが乗っていたので踊らずにすみましたが)
舞台からは客席を感じにくく、限りない海に向かっているイメージ。横幅が広すぎて、コミュニケーションを左右にとらなくてはなりません。
客席に座ってみると舞台はよく見えます。隅っこにいても、意外に見る立場では楽です。その点は不思議とうまくできています。

フランスのナンシー歌劇場も、パリのオペラコミック座も、舞台幅がとにかく狭いので驚きましたが、客席がぐるりと取り囲んでいる形で、客席の奥行きは感じません。
ひとめで全体を眺めるのがかなり楽なのです。
舞台が横に幅広いと言うこと自体日本的なのでしょうが・・・
奥行きがなく舞台天井の高さもないのは、日本中の劇場がそんなものかもしれません(典型的歌舞伎型、3対1)。

○─トピアはビルの中のホールなので仕方がないかも、と思ったのですが、よく考えたら、このビルの中には、素晴らしい吹き抜けがつくってあります。
セットが横長のものは○─トピアでもまだいけるとしても、スペースを限らせた同じメンバーによる△公演は、やりにくそうだと想像します。
△公演は関西のブリゼ(でしたか?)でチケットがとれ運よく拝見。
ここは2階がかなりの急こう配らしいのですが、舞台と客席の横が同じ幅ですからセットと違和感なく、非常に適していると思いました。
音響もよくもしかしたら生音だったかも。

○○市は、客席と舞台の幅が同じ会場が少ないのかもしれません。あるのは区のホールですから、彼らにとっては今やキャパが小さく、すぐ埋まってしまうでしょう。
(まさか、緊急出口の緑照明を消したから使用禁止例が出たとかじゃないでしょう)
キャパがいくらあったって、秒殺チケットの、売れる人々です。○○市の地元ファンが少ないとしても、全国からあぶれた人がはるばる来るのでその辺は心配無用です。
だから○○市でやっても採算はとれるはずです。でも、公演はありません。

しかし、会場そのものの構造も、その準備も
・使いにくい
・無駄な時間・手間暇がかかる、話が通じない、融通がきかない
というのでは無理にやろうとは思わないかもしれません。その分、地方に数日回る方が気分がよいのかもしれません。
ホールの質は「総合的に」だいじです。

○○市での△の初公演は、当時比較的新しく、構造の点ではクリアできていそうな2.県立○芸術センターでした。(今となっては彼らにはキャパ不足で不要でしょうが)
私も昨年使いましたが、ここは、うちあわせが絶望的にお役所でした。リハーサル室での公演で3時間使うだけなのに、打ち合わせに2時間。
私はいつも日本に住んでいるわけではなくて公演を通して会場を見に行く時間もないのでホールの見学を申し込んだことがありますが、それも断られました。

打ち合わせにたちあってくださるのは派遣さんで、舞台を知らない人です。質問はすべて「担当に聞いてきます」でした。紙も相当数飛び交い、意味のわからない日本語が並びました。(お江戸のようです)
最悪なのは打ち合わせの時と当日のスタッフがちがうということ。
もちろん彼らの責任ではありませんが、これでは打ち合わせの意味がありません。舞台当日に、打ち合わせしたスタッフがいるかどうかわからないというのは、かなりこわいことです。

○○市が飛ばされる理由の方が簡単に想像されてなりません。
今後彼らがこの市で公演を再開するかどうか・・・・興味をもっています。
20年以上前から文化的にいまいち、といわれる○○市。むかしっから○○とばしはありましたが、伝統は崩れません。


★親子ユニット Rhymes リム公演 7月14日仙台、17日経堂、21日岐阜、24日伊丹、心斎橋、25日三宮、
となりました。
雑歌屋http://zakkayamusique.hp.infoseek.co.jp/にて詳細をご覧ください。


雑歌屋 とだあきこ

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